【管理栄養士監修】妊婦さんは麦茶を飲んでいい？カフェインの心配を安心に変える全知識

2025年11月20日

緑茶と麦茶の原料の違いを示す図解。左にチャノキの葉からカフェインを含む緑茶ができる流れ、右に大麦の粒からカフェインゼロの麦茶ができる流れが描かれている。

＜この記事にはPRが含まれます＞

妊娠中、飲み物一つにも気を使いますよね。「麦茶はカフェインがないから安心」と聞くけど、本当に大丈夫…？そのお気持ち、とてもよく分かります。

結論からお伝えします。麦茶はカフェインゼロで、妊娠中に毎日安心して飲める、むしろおすすめしたい飲み物です。

この記事では、単に「大丈夫」と言うだけでなく、なぜ安全なのかを厚生労働省などの公的データと専門家の視点から徹底解説します。あなたの不安を「心からの安心」に変えるためのお守りのような記事です。

読み終える頃には、麦茶の安全性に自信が持て、毎日の水分補給を穏やかな気持ちで楽しめるようになります。

[監修者情報]

この記事の監修者

伊藤かなえ (管理栄養士 / 産婦人科専門栄養カウンセラー)

総合病院の産婦人科で500組以上の母子の栄養相談を担当。プレママ向け雑誌での連載経験も持つ。自身も一児の母として、科学的根拠と母親目線の両方から、プレママの食生活の悩みに寄り添うことを信条としている。

まずはご安心を。妊娠中のカフェイン、専門家はこう考えています

初めての妊娠、本当に色々なことが気になりますよね。私もそうでした。多くの情報の中から「何が本当に正しいの？」と不安になるお気持ち、痛いほど分かります。大丈夫。一つひとつ、科学的な根拠と一緒に確認していきましょう。あなたのその、赤ちゃんを想う優しい気持ちが、何よりの栄養になりますからね。

プレママさんから一番よく聞かれるのが、実はこのカフェインに関する質問なんです。コーヒーや緑茶が好きな方ほど、心配になりますよね。

妊婦さんがカフェインの摂取を控えるべき、という考えにはしっかりとした理由があります。厚生労働省も、カフェインが胎盤を通じて赤ちゃんに移行し、健康に影響を与える可能性を指摘しています。そのため、過剰な摂取は避けるべきだと世界的に考えられているのです。

だからこそ、あなたがカフェインについて慎重になるのは、赤ちゃんを大切に想う証拠。決して心配しすぎではありません。正しい知識を持つことが、あなたと赤ちゃんを守る一番の力になります。

専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 「あれもダメ、これもダメ」と考えるのではなく、「これなら安心」と思える選択肢を見つけることが、心の安定に繋がります。

なぜなら、この点は多くの人が見落としがちで、情報過多で食べられるものがないように感じてしまう「栄養ノイローゼ」に陥るプレママは少なくないからです。麦茶のような絶対的に安全な選択肢を知っておくことが、妊娠中の食生活をポジティブなものに変えてくれます。この知見が、あなたの成功の助けになれば幸いです。

麦茶が絶対的に安全な理由。緑茶との「原料」の違いが答えです

では、なぜ麦茶は妊婦さんにとって絶対的に安全だと言い切れるのでしょうか。その答えは、麦茶と緑茶の「原料」に明確な違いがあるからです。

多くの方が「お茶」と聞くと、すべて同じような植物から作られていると思いがちですが、実は全く異なります。

緑茶や紅茶、ウーロン茶は、「チャノキ」という植物の葉から作られます。そして、カフェインはこの「チャノキ」の葉に天然成分として含まれています。

一方で、麦茶の原料は「大麦」という穀物です。大麦の粒を焙煎して作られるのが麦茶であり、この大麦にはカフェインが一切含まれていません。

つまり、麦茶はカフェインを後から取り除いた「デカフェ」や「カフェインレス」とは異なり、原料の時点からカフェインを含まない「ノンカフェイン（カフェインゼロ）」の飲み物なのです。この麦茶と大麦の関係性こそが、安全性の揺るぎない根拠となっています。

他の飲み物と徹底比較。データでわかる麦茶のやさしさ

麦茶の安全性は、他の飲み物と比較することで、より客観的に理解できます。

文体モード: レポーターモード

日本の食品安全委員会が公表しているデータを見ると、その違いは一目瞭然です。麦茶と、コーヒーや緑茶といった他の一般的な飲料のカフェイン含有量を比較してみましょう。

比較表
表タイトル: 主な飲料のカフェイン

飲料の種類	カフェイン含有量　含有量（100mlあたり）
麦茶	0 mg
コーヒー（ドリップ）	約 60 mg
紅茶	約 30 mg
緑茶（せん茶）	約 20 mg
ウーロン茶	約 20 mg
出典: 食品中のカフェイン – 食品安全委員会

この比較表が示す通り、麦茶のカフェイン含有量は「微量」ではなく、明確に「0mg」です。この公的なデータが、妊婦さんにとって何よりの安心材料となるでしょう。

妊娠中は、つい糖分の多いジュースで気分転換をしたくなるかもしれませんが、体重管理の観点からは注意が必要です。また、リラックス効果を期待してハーブティーを選ぶ際も、種類によっては妊娠中に推奨されないものがあるため、専門家への確認が欠かせません。

その点、麦茶は無糖で成分がシンプル。さらに、汗と共に失われがちなカリウムなどのミネラルも補給できるため、水分補給の選択肢として非常に優れています。

プレママからよく頂く麦茶Q&A

最後に、妊婦さんからよくいただく、麦茶に関する細かい質問にお答えしますね。

Q1: 煮出して作る麦茶と、水出しの麦茶で違いはありますか？

A1: 栄養成分や安全性に大きな違いはありません。どちらもノンカフェインですので、ご安心ください。煮出すタイプは香りが豊かで、水出しタイプは手軽に作れるのがメリットです。ご自身のライフスタイルに合わせて選んでくださいね。

Q2: 麦茶の飲み過ぎによるデメリットはありますか？

A2: 麦茶には利尿作用を促すカリウムが含まれているため、一度に大量に飲むとトイレが近くなることがあります。しかし、常識的な範囲での水分補給であれば、特に心配する必要はありません。1日1.5リットル〜2リットルを目安に、こまめに飲むことをおすすめします。

Q3: 赤ちゃんが生まれた後も、麦茶は飲ませて大丈夫ですか？

A3: はい、もちろんです。麦茶はカフェインを含まず、赤ちゃん用の麦茶も市販されているほど、乳幼児の水分補給に適しています。生後1ヶ月頃から与えることができますが、最初は湯冷ましで2倍ほどに薄めて、スプーンで少しずつ与えることから始めてください。

まとめ：不安を安心に変えて、穏やかなマタニティライフを

この記事では、妊婦さんが麦茶を安心して飲める理由について、詳しく解説してきました。

理由1：原料が違うから 麦茶の原料はカフェインを含まない「大麦」。カフェインを含む「チャノキ」から作られる緑茶や紅茶とは根本的に異なります。
理由2：公的データが証明 食品安全委員会のデータでも、麦茶のカフェインは「0mg」と証明されています。
理由3：ミネラルも摂れる ノンカフェインなだけでなく、水分補給と同時にミネラルも補給できる、妊婦さんのための心強い味方です。